2012年2月25日土曜日

遥かなるロシア バルト海とバルト3国

その昔、シアトルのモールに世界各国の旗を染め抜いた、Tシャツやカップを売る小さなキオスクを持っていた頃。

3人の中年の陽気な夫人たちがやってきて、エストニア、ラトビア、リトアニアの国旗を染めたカップを見つけて上機嫌でした。

「私たち3人はバルト3国から来たのよ。この人はエストニア、あの人はラトビア、私はリトアニア人よ。

今日は私たちの国が独立しためでたい記念日。このカップで乾杯よ、」

「私のカップが、こんな晴れやかな日のお役に立てて嬉しいわ。おめでとう。」
心のそこからこの婦人たちにオメデトウを言いました。

バルト海を囲む7つの国々の中でも、一時近隣を制したリトアニアは別として、小さなエストニアやラトビアが、今日までよく生き延びて独立国になったと感慨無量です。

バイキングの昔から、その前からも覇を競う国々の興亡。
北方十字軍ドイツ騎士団の武力によるキリスト教化 。

更には第2次大戦時の赤軍による略奪と占領が、バルト海バルト3国界隈に延々と繰り広げられてきました。

海域の覇権争奪戦ゆえに、砦や城が沢山築かれ、今日では美しい姿を見せていますけれど、往時は厳しい情勢下であったことでしょう。

デンマーク沿岸にはハムレットの舞台となったと言う、クロンボー城があるそうです。

その歴史ゆえに、バルト海海底には難破船が沢山沈んでいるそうで、特に有名なのが1956年に引き上げられたスエーデン海軍の巨艦{17世紀当時}ヴァーサ号。

この船は華々しい海戦で沈没したのではなく、一陣の風で沈んでしまったそうです。
ヴァイキング国にも失敗はあるのですね。

最近になって、海底で謎の物体が発見されたと大騒ぎになりました。

それほどに、多くの船がバルト海の藻屑となっているということです。

海底には良質の琥珀を含む地層が路出し、琥珀が海辺に打ち寄せられてくるのを収穫できると言うことです。なんという自然の恵みでしょうか。

それにしても子供たちが泳いだ水が汚いと思っていたら、7カ国が工場汚水や生活汚水を垂れ流し、”世界一汚い海” という汚名を着せられているそうですね。さぞかし、海たちはいやなことでしょう。

ロシア本国の海水浴場にはない、公衆トイレがあったと言うことは特筆ものですけれど。

人も海も熾烈な歴史に終わりを告げ、綺麗な水が戻り、平和が永久に戻りますように。
ドイツ騎士団の城{ポーランド}